社団法人飯田青年会議所
理事長対談
理事長対談  下條村 伊藤喜平村長
 

理事長対談  下條村 伊藤喜平村長

 理事長:下條の魅力とは。 
 
 村長:魅力は潜在的なものもあるし、つくるものもあるが「人柄」です。 
 
 理事長:協働に関してもこのあたりでは、真っ先に取り組み財政の健全化等に努められ、下條の方々の「人柄」が最も寄与していると思います。 
 
 村長:目標を立てそれに向かい励んでくれる「人柄」が重要である。 
時代的背景もあるが、自治体でも「目標」を掲げていかないといけない。民間の皆さんは、今日あって明日亡き命というように、大失敗は許せない真剣の度合いが違うわけです。一生懸命稼いでいる訳ですが、行政はその皆さんの税金等で働いているわけですが、その体質が仲良し集団で、能天気で、ぬるま湯体質で新しい事にチャレンジしていかない様ではいけない。全体の奉仕者であるべき行政マンが胡坐をかいていてはいけない。職員も類似自治団体の4割減であります。新しい財政の指標も新しい意識変革に繋がると思う。 
 
 理事長:伊藤村長は、民間上がりで当時の体質を改善するのはとても大変だったと思いますし、徹底して行われてきた結果が今の下條を作り上げていると思います。地方自治でも、具体的な「目標」「ビジョン」は大切で、職員の皆さんもそれに向かう真剣さが求められる。現在は当時の職員の6割の人員であるようですが、意識変革にはとても苦労されてきたと思います。企業と同じで、地方自治もトップ次第で大きく変わるんですね。 
 
 村長:社会的資本がない当村では、それなりのレベルの箱ものを作るのも重要であります。今でも作っている。村営の住宅も11棟作ってきました。 
 
 理事長:文化の殿堂とも言われているコスモホールも立派ですし、私達も今年は会議等で利用させて頂いております。早くから協働に取り組まれ、村営の住宅には多くの若者集まり、子供の出生率も全国的にもトップであり、これからは教育に力を入れられていくと思うのですがそのお考えをお聞かせ下さい。 
 
 村長:基本的に地域づくりは、ひとづくりである。これはどうしようもない。ひとづくりは、根幹は教育である。教育でも生涯教育・社会教育・学校教育等あるが、学校教育が重要であると考えます。ゆとり教育等、国の方策も心配している。我々は学校教育をしっかりとした形でと要望を出し、定期的に校長先生とも話をよくします。そうすると考えていることも一緒で、将来的な不安も同じなのです。権利主張型、義務回避型の親の世代も問題であるが、学校にお願いしていることは、勉強は勿論、「クラブ活動」をしっかりやって下さいとお願いしている。心身ともに鍛えるようにと要望している。それは依然卓球がものすごく強かったのです。クタクタになるまで練習をするのですが、成績は卓球をしている生徒のほうが優秀なのです。あとは、地域活動にも直接関わって下さいとお願いしております。これは交通安全教室もあれば、職場体験も実施しています。職場体験は先生が教えれないことを体験できる。

 理事長:私達も本年度は、14市町村の小学生を対象に「お仕事体験」を実施させて頂きました。参加者には事前勉強会を実施し、目標をたてて参加して頂きました。お父さん、お母さんが働いている大変さも感じている生徒もおり、将来の夢を抱かれた生徒さんもおり、定員の倍以上の申し込みもあり需要も多くありました。何のために生きるか、何のために勉強しているかという、「生きる力」を養うのが少年期に必要だと感じております。下條村では「議会」も行っておりますがそのことについてお話し下さい。 
 
 村長:生徒からものすごい質問が出てきます。その質問に関しては、当日はそれに関して答えるが、その後正式文章にて議長に送り、これに関して生徒会を開くなどいい仕組みに作り上げてきている。生徒も意識が高まり、物はそこにあるから見えるのでなく、見ようとするから見えるのでありと常に言っているが、前向きにものを考える重要性を養っております。今では一番の楽しみであり、時間も延びている。これは、村づくりの予備軍になり、ふるさと愛に繋がる。実社会に出るソフトランディングで、ふるさと愛が充満してくると馬鹿な事が出来なくなる。故郷を離れても、いろいろな誘惑があったとしても、壁にぶつかったとしても、両親やふるさとのことを思い出すと、こんなことにへこたれていてはだめだと頑張れる。これは子供の頃培ったパワーでないとその分野は管理監督で出来るようなものでない。これはひとづくりでしか無理であり、今でもあの頃の生徒が顔をだしてあの時の議会の思い出話をしてくれる。私の持論は村民の顔が覚えて、うちの状況がわかる。5000人が限度。 
 
 理事長:小さくてもピカリと光る村、下條村ですね。大自然があり、温厚な人柄、文化・歴史があり、ゲームばかりしているのではなく、外で思いっきり遊び、故郷を感じてほしい、故郷を愛してほしいという強い想いの中で、先日は「愛せよ故郷(ふるさと) アースディー南信州」を開催させて頂き、2000人以上の方々にご参加いただき盛大に開催できました。生きる力、職場体験、ふるさと愛等、まだ一時間も話しておりませんが、村長さんと私達の考えは同じ方向を向いており、目的も同じです。 
 
 村長:究極はそこに行きつきますね。ふるさと愛は、今の無味乾燥の世の中に潤いを与えてくれます。
 
 理事長:事業の中では、金銭感覚でなく愉しみは重要だなと感じ、トークセッションでは若者がこの南信州のことを愛してくれており、高校生もこの地域の良さは「ひととひとの繋がり」と言ってくれている。これは世代を超えた、文化や市民活動などで感じていただき、そこに関わる大人の姿勢で感化されてきている。こんなうれしい出来事もあれば、今年は14市町村をメンバー全員で出向き研究してみると、成り立っていると感じているコミュニティーが崩壊しつつある現状も見えてくるのです。また外から来た人の受け入れ態勢の問題も出てきます。これからは文化等を切り口に、コミュニティーの再編を図る時が来ていると思います。 
 
村長:村営の住宅に入る時は徹底した審査があります。行政道徳にあった中で審査を行い、補助金も頂かず、村を守るため、繁栄させる為にいろいろ考えて審査し入居をして頂いています。ですから完成するとすぐに満室になり、いいコミュニティーへと繋がっております。入口はなあなあではだめで、その為補助金頼りでなく明確な戦略が重要です。 
 
理事長:リニアも同じ考えで、駅ができたからといってこの地域の発展へとは繋がらず、住民も含めて意識を変えていかないだめだと思うのですが。 
 
 村長:平成16年実務者の見解からも、ユートピアのような合併を駆け込み寺の感覚だけで飛びつかず「自立」の道をい歩んだわけで、その事を考えると、この地域の広域連合などの連携は全国トップだと感じている。リニアも含め、三遠南信に関しては大いに期待している。心を許して、お互いがプライドを傷つけないようにやればうまくいくと思う。 
 
 理事長:目的は一つですから、昔のようにおらの村がという中で、取りやっこしているようではだめで、定住自立圏構想も締結し、行政レベルでもいい形になりつつあります。平成の大合併も昨年総務省でも失敗だったという発表もあり、その飴にも乗らず自立の道を選ばれてこられ、素晴らしいと感じております。これからは、住民レベルで南信州全域を考えていけたらいいと私達も事業展開に力を入れております。 
 
 理事長:最後にJCに対する期待、ご要望をお聞かせ下さい。
 村長:私自身もいい勉強になった。現実から離れた所に青年会議所があるのかなと思っていたが、とんでもない話で地域の真ん中で位置していることで心強く感じました。世直しはある程度の時間もいるが、ある年代の方々が燃えてくれればすぐに広がり、今はその方向でやっていかないと地域が沈没してしまうことは現実。いまは行政も青年会議所のパワーを潜在的に要望していると思う。皆さんの立場なら新しい分野にも取り組めますし、地域のトップとも対談して頂ければと思います。 
 理事長:同世代にマッチで火を付けれるような社会のリーダーを育成する団体だと思いますので、まさにひとづくりに力を入れていきたいと思います。本日はありがとうございました。

理事長 熊谷弘
2009年9月30日掲載
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