飯田JCの理念

1.社団法人飯田青年会議所創立40周年ビジョン

We have a DREAM……ビジョンイメージ I have a DREAM
わたしは、生きている
わたしの「いのち」がひとの「いのち」を支え
たくさんの「いのち」にわたしの「いのち」が支えられて
そのつながりの中で生きている
そのつながりがまちだ I have a DREAM
わたしは、生きている
何十年も何百年も、いや、何十年もの
「いのち」のつながりの中で生きている
わたしは、生きている
わたしの「いのち」は
何十年も何百年も、いや、何千年もの未来
これから生まれる無数の「いのち」につながっている
これがわたしの「現在(いま)」だ I have a DREAM
わたしは、生きている
「現在」を生きる「いのち」のつながりと
「現在」に、そして「現在」からつながる「いのち」のつながりと
それら無数の「いのち」の糸が織りなす紬のように
わたしは、生きている まちも生きている I have a DREAM
わたしは、まちに愛を告げる
たくさんの「いのち」が
まちの「いのち」という水引の糸で結い上げられる
わたしの「いのち」がまちを明るくする
まちの「いのち」がわたしを豊かにする
祭りのざわめき りんごの輝き 人形たちの微笑み
山の連なり 川のせせらぎ 木々のきらめき
そんなつながりの中から「わたしたち」は生まれる We have a DREAM
夢をつむぎ絆を結い
40周年 ぼくらはまちに愛を告げる

1.飯田下伊那(ここ)で生きている

 桜の香りを県内で一番早く感じ、人形の微笑み、子供の歓声で本格的な夏の訪れを実感する。 真っ赤に色づくリンゴが秋晴れの抜けるような青い空に輝き、中央アルプスと赤石の雪化粧で冬の訪れを知る。山々は連なり多くの自然を残し、 この飯田下伊那をいつも温かく見守り、その合間を流れ出る多くの清流は天竜にそそぎ、多くの水を蓄え、 ここに住むわたしたちの生活と共に歴史の中を蕩々と流れている。

 私たちはここで生きている。ここで生まれ、育ち、そして今ここを生涯の生きる場所として自ら選び、結婚をし、家庭を持ち、子供を育て、 友と語らいそして遊び、仕事をし生活している。ここを愛し、一番よくこの飯田下伊那を知っている私たちが、この地域の明日を考えなくて、 何処に明るい未来や、豊かな社会が存在しうるのだろうか。

 私たち社団法人飯田青年会議所は、創立40周年を迎え、飯田下伊那を見つめ直し、ここで生きていくものの一人として、いま “まちに愛を告げる”。

2.飯田下伊那の地域づくり

1)地域をつくる礎
(1)地域をつくる「二つの軸」

地域には、それをつくり支えている「二つの軸」があると私たちは考えます。

a.時を超えたつながり

 時間の流れの中で受け継がれてゆく地域です。遠い昔から、その土地固有の自然環境の中で、それと折り合いをつけながら人々の生活は営まれ、それらが時の流れの中で積み重なって地域はつくられてきました。私たちが生きる「いま」も、この地域の新しい歴史として未来に受け継がれてゆくのです。

b.「いま」を分かち合うつながり

 いまここで生きているつながりとしてつくられる地域です。そのつながりには、非常にたくさんのかたちがあります。家族・町内会・自治会・会社・学校・サークル・NPO……。ひとがひとりでは生きてゆけないように、このつながりは単独では生きたものとはなりません。それぞれのつながりは、地域という大きなつながりをそれぞれが支え合い補い合いながらつくっている、かけがえのないひとつひとつなのです。  地域は、二つの軸の縦糸と横糸が織りなす一枚の織物のようなものです。この織物に描き出される模様は、その時々で趣を変えることはあるとしても、この地域でしか描けないものです。その地域独自の模様こそが地域の姿だと言えます。
(2)「二つの軸」をつくる「二つのつながり」

 「二つの軸」それぞれは、地域をつくるひとつひとつの小さなつながりが縒り合わされてつくられています。地域の基礎となるこのつながりも、大きく「二つのつながり」として整理できます。

a.自然と「ひと」とのつながり

 ひとの営みは、自然の中から生きるために必要な価値をつくりだすことを基本としています。地域の歴史の中で、先人たちはこの地域の地形・気候・資源などの固有の自然条件に最も適しているであろう生活をつくってきました。こうした地域固有の自然とひととの関係が「風土」なのです。

 また、古来から日本人は森羅万象に宿るいのちのつながりの中でひとも生きている(生かされている)という意識を持って生きてきました。自然環境の破壊が大きな問題となっているいまだからこそ、自然とのつながりの中で営まれてきた生活を、今一度地域をつくる大切なつながりとして捉えてみることが必要になってきているのではないでしょうか。

b.「ひと」と「ひと」とのつながり

 ひとにとって最も大切な「豊かさ」とは、そのひとが人と結ぶつながりの深さや広がりという意味での「豊かさ」であり、そのつながりを大切にしながら、その中でよろこびを感じながら生きてゆくこころの「豊かさ」なのです。その「豊かさ」を生活を基盤として育んでゆく場が地域なのです。

 「二つの軸」と「二つのつながり」、これらの地域をつくる礎は、それぞれが結びつき、絡み合いながら、地域という織物を織り上げているのです。それらは決してひとつだけで地域をつくるのではなく、それぞれをつなぐ結びつきの中で、はじめて地域をつくっている。このことが、私たちの考える地域づくりの基本なのです。
2)飯田下伊那をつくる「こころ」~「『結い』のこころ」~

 先に述べた地域をつくる礎をつなぐもの、それは地域をつくる「こころ」であると私たちは考えます。そこで飯田下伊那の地域をつくる「こころ」、それを私たちは「『結い』のこころ」と名付けました。   「結い」とは、地域のひとたちが田植え等の農作業の際に力を貸し合ってみんなで作業を進める仕組みです。それは、地域に生きるひとたちがお互い支え合いながら、生活の拠り所となるものを共につくってゆく知恵であり、経済的な厳しさを、ひととひとが支え合うつながりの中で、こころの豊かさ・つながりの豊かさに転換してゆく智慧でもあります。

 私たちが一般的にこの地域を指すときに使う「いいだ」という地名の由来は、一説には「結い田」であると言われています。そして、飯田下伊那は、「民俗文化の宝庫」といわれるように、古くからのお祭りや風土がいまでも生活に密着したものとして根付いています。また、全国的に見ても、公民館活動に代表されるように地域を基盤とした活動が盛んな地域でもあります。私たちの生きる飯田下伊那は、地域のつながりを生活の中に確かに位置づけ、大切にしている地域なのです。

 しかも、そのような伝統を大切に受け継いでいるだけでなく、いまを生きる私たち自身が、そのこころを支えとして新しい実践を進めていることも、「『結い』のこころ」が私たちのこころのどこかに根付いていることを示しています。

 そのひとつが「りんご並木」のこころです。 「飯田の街を、美しいりんご、美しい子らの行いを以て美しい街とするように、手はつけられたのである。りんごは、誰一人手をつけるものもなく、枝もたわわに実り、太陽に輝いてあたりを美しく反映してくれるであろう。町の人たちは、この美しい風光に見とれて歩く。美しいものは子供たちだけではない。町の方々も、また、そこを通る村の人々も美しくなるのだ。この美しいものを子供たちが残したのだ。

 これは子供の美しい心と、市民の親心との交響楽である。美しいものは賢いものである。さらにこれをりっぱに生長させてこそ美しい誇りであり、永遠の思い出となるのである。」(当時の飯田東中学校校長松島八郎氏の言葉より)  みんなのこころの拠り所となるものを自分たちの手でつくろうとする人々の発意と行動、そして、それを見守り支える地域の人々、そのようなこころとこころのつながりが奏でるシンフォニーの底に「『結い』のこころ」は息づいています。

 また、20年に渡って地域に根付いたお祭りとして行われてきた「人形劇カーニバル飯田」、それを市民の発意と自主的な行動によって引き継いでいる「いいだ人形劇フェスタ」、「人形劇のまちいいだ」を支えるこの流れと蓄積も、「『結い』のこころ」のひとつの表現なのです。   私たち一人ひとりのこころに根付いている「『結い』のこころ」を今一度見つめ直し、それを基として共に行動を積み上げてゆくことによって、「『結い』のこころ」は飯田下伊那に生きる一人ひとりのこころとなってゆくのです。そして、このような実践を通し、地域への誇り・地域への愛が育まれてゆきます。「『結い』のこころ」で地域をつくる礎をつなぎ、この地域でいきいきと共に生きてゆく。そんな素晴らしい地域をつくるのは、私たち自身です。
3)創立30周年以降のぼくらの10年 ~新たなステージヘ~

 1990年、創立30周年に提唱されたアルプス合衆国構想は、飯田下伊那地域の自立と、この地域に生きる人々のこころの連帯を目指すものでした。この構想は、この10年間、私たちの活動の中心軸となってきました。私たちの活動の新たなステージを考えるにあたり、まず、これまでの展開を振り返ってみましょう。

(1)アルプス合衆国構想phase-1(1990~1995)

 アルプス合衆国構想提唱からの5年間は、“飯田下伊那はひとつ”という広域まちづくりの考え方を地域に根付かせることを第一の目的として、数々の事業が進められました。

 行政枠を超えた生活圏としての地域を、飯田下伊那地域全域と大きく捉え、広域圏としての地域づくりの必要性を実感し訴えるための運動が展開され、行政枠に代わる新たな地域の枠組みをつくりだすという大きな成果を上げたのがこの段階であったということができます。この流れは、飯伊広域行政組合や南信州広域連合という広域行政の先駆けとして、大きな意味を持つものとなりました。
2)アルプス合衆国構想phase-2(1996~1999)

 この構想が一定の成果を上げつつあった1995年、社会が大きな動きを見せました。阪神淡路大震災の救援活動に、ボランティアと呼ばれる多くの市民が自発的に立ち上がったという出来事です。私たちも現地の活動に参加し、この動きを身をもって体験しました。そこで私たちは、ひとが生きる現場をつくる地域づくりは、大きな視点から地域を捉えるだけでなく、地域の「ひと」と「ひと」とのつながりを、地域のひとたちと手を携えてつくってゆくことが大切であるという視点を持ちました。

 以来、私たちは地域の現場で活動しているひとたちと共に何ができるのかを考え、活動を進めてゆく中に、これからのアルプス合衆国の在り方を模索しました。この展開により、私たちはこの地域で自らの想いや夢をかたちにしようと活動を続けている多くの素晴らしい仲間たちに出会うことができ、同時に、多くのひとたちと手を携えて進める地域づくりの大きな可能性を見出すことができました。
(3)アルプス合衆国のセカンドステージヘ(2000~)

 アルプス合衆国構想を掲げ進められてきたこの10年間の運動は、様々な視点から、また、様々な活動を通じて、私たちの目指すべき地域を再発見し、当初のイメージを大きな広がりを持ったものとしてゆく大切な過程であったと捉えることができます。この中で、たくさんの熱い想いが集められ、たくさんの貴重な汗や涙が流されてきました。そして、アルプス合衆国をみんなの手で創りあげるためのとても貴重な材料や仲間を見出すことができたと考えます。こうした経験と蓄積、そして何よりもアルプス合衆国に寄せられたたくさんの熱い想いを飯田下伊那の未来を創りだす運動的な基盤として、私たちはアルプス合衆国の創造に向けた新たなステージに力強く踏み出します。

 地域全体の未来を大きな視点で捉えながら、同時にひとつひとつの小さなつながりをより豊かなものにしてゆくこと、大きな視点と小さな視点を同時に持ちながら、地域をつくる流れとしてそれらを結びつけてゆくこと。これからの飯田下伊那の地域づくりの課題は、このような視点を持って、みんなが求める地域の未来を、地域で生きる多くのひとが共に描き出してゆくことにあると私たちは位置づけます。

3.アルプス合衆国セカンドステージにおける地域ビジョン

1)ぼくらの夢=地域の未来を拓く四つの柱

(1)ぼくらの夢1 ~一生を全うしたいと思える地域~

a.地域への誇り・地域への愛=かけがえのない地域

 地域への誇りをつくるもの、それは、その地域をかけがえのないものと考えるこころです。そのようなこころをつくるためにはまず、他の地域にはない飯田下伊那の「固有性(かけがえのなさ)」を自らの目と行動で再発見することが必要です。そして、その大切なものをより豊かにしてゆくために考え、行動を起こしてゆくこと。この行動の積み重ねが、僕らがつくった地域として誇りに思い、愛することにつながってゆくのです。

 ぼくらの想いを投げかけながら、自らつくっていった地域だからこそ、「かけがえのない地域」となるのです。

b.生きがい・幸せ=かけがえのない私

 ひとが自らの生を豊かなものとしてゆくためには、まず何よりも自分が「かけがえのない存在」であるという実感が必要です。また、それぞれの想いや能力を発揮し、足りない部分はお互いで補い合う、そして全体としてひとつのものをつくりあげる。そのつながりが地域のつながりです。

 それぞれの役割を担い果たす、その行動により、つながりがより豊かになり、同時に自らのかけがえのなさをよろこびと共に確認できる。このような「相互作用」こそが、生きている実感としての「生きがい」となり、つながりの中で確かに生きている充足感が「幸せ」につながってゆきます。

 みんなの未来を「かけがえのない地域」という基盤の上に創ることが、私の未来を切り拓いてゆく、また、「かけがえのない私」の未来を考えることがみんなの未来につながってゆく。この相互作用によって、ひとがより豊かに生きるためのつながりを育んでゆくことこそが、私たちが目指す地域づくりの本質なのです。
(2)ぼくらの夢2 ~安心して子供を産み育てられる地域~

 地域の未来を託すことができるのは、まず誰よりもその地域で育つ子どもたちです。豊かなこころを持った子どもたちを育ててゆくことは、地域づくりのひとつの基礎となる大切な課題です。とりわけ、私たち青年は、子どもたちを産み育てる世代でもあり、だからこそ、このことを自分の問題として捉え行動してゆかなくてはなりません。

 子どもを育てることは地域の未来を育てることです。それは、受け継がれてきた地域のこころを、未来の地域をつくる一人ひとりの子どもたちに植え付けてゆくことでもあるのです。このような時代だからこそ、地域の未来をつくるという発想をもって、子どもたちを地域全体で育ててゆくことが大切なのではないでしょうか。

 そのためには、まず何よりも私たちが子どもたちに自信と希望と自らの行動をもって未来を指し示すことが求められます。この地域の未来を考え、それを自分たちの手でつくってゆく行動の中にこそ、未来への希望が描かれるのです。地域全体で子どもを育てるということは、このような未来を子どもも大人も、みんなが共有するということなのです。
(3)ぼくらの夢3 ~自然とひとのつながりが豊かに息づく地域~

 飯田下伊那のよいところは?と聞かれて、多く返ってくるであろう答えが自然が豊かな地域であるということだと思います。

 森羅万象に宿るたくさんのいのちとのつながりの中で、ひとつの場所を分かち合いながら生きてきた私たち、また、たくさんのいのちによって生かされている私たち。この地域がそんな営みの中でつくられてきたということを、地球規模での自然環境の破壊が叫ばれているいまだからこそ、今一度思い起してみる必要があるのではないでしょうか。

 そして、いまこの豊かな自然と私たちの生を結ぶいのちのつながりの中に、これからの地域の未来を探ってゆくことが大切になってきていると考えます。
(4)ぼくらの夢4 ~経済的に自立できる地域~

 飯田下伊那を一般的な経済的尺度で見ると非常に厳しい現状にあるということができるでしょう。こうした状況で、この地域の経済的な自立を目指すためには、飯田下伊那ならではの経済の在り方を模索し確立してゆくことが必要となってくることでしょう。私たちがこれから大切に育ててゆかなくてはならないものは、ここでしかつくれないもの、ここだからこそつくれるものを基盤とした経済であると言えるのではないでしょうか。それは言い換えると、地域の風土文化に根ざした、それを生かした経済ということです。

 飯田下伊那の経済は、現在でも地場産業の占める比率が高いという特筆すべき特徴を持っています。この経済構造は、この地域の気候風土や自然の恵みである地元でとれる原材料に適した産業を発見し、それを地域の生活や人々のニーズに適したものとして発展させてきた先人たちの知恵の結晶です。

 飯田下伊那のこれからの地域経済を考えるとき、こうした地場産業を大切にし、また、それぞれの連携の中から新しい価値をつくる、地域を基盤とした経済的なつながりをつくりだしてゆくことが何よりも重要になってきます。

 また、その経済を支えるひとの広がりの中で、高齢者の知恵や力を生かすこと、障害者や在住外国人の方々などの地域経済への参加は、経済の担い手をつくるということに留まらず、地域をつくるつながりの中でそれぞれが役割と生きがいを持って生きるということであり、地域経済の課題のひとつとして考えてゆく必要があるでしょう。

 こうした産業構造や、生産と消費を結ぶ新たな自給自足的なつながりの模索、広域的な視点とそれぞれの地域の役割に基づくインフラ整備の見直しなど、多元的な視点から地域の経済を捉え直してゆくことが、地域の経済的自立へ向かう道筋です。
2)「『結い』のこころ」で共につくるアルプス合衆国=ぼくらの大きな夢

 これまで考えてきた、「一生を全うしたいと思える地域」「安心して子供を産み育てられる地域」「自然とひとのつながりが豊かに息づく地域」「経済的に自立できる地域」という、これからの地域をつくるにあたって重要となる四つの柱も、一本だけで素晴らしい地域がつくられるというものではありません。それらはあくまでも、地域という「建物」の四隅を支える柱であり、それが的確に配置され、それぞれがひとつの建物としてつながれたときにはじめて「柱」としての役割を果たすことになります。それぞれの柱をつなぐもの、それが「『結い』のこころ」であり、求めるべき地域の未来図である地域ビジョンなのです。そして、それぞれの柱を建てる行動、柱同士を地域のつながりとして結びつけてゆく行動、それぞれが欠くことのできない地域をつくる仕事なのです。

 地域を共につくることは、一人ひとりが自らの未来を「夢」として思い描くことから始まります。夢を地域に向かって、ひとに向かって表現し、仲間たちそれぞれの夢と縒り合わせることで、ひとりの夢は「みんなの夢」として共有されたものとなります。そして、「みんなの夢」をかたちにするために、共にひとつのものをつくるつながりと行動が生まれます。これこそが、地域を共につくる「共創」の運動です。また、この共創の輪の中で、それぞれが自らの役割を果たし、お互い支え合い補い合いながら生きてゆくことが、一人ひとりのいきいきとした豊かな生や「幸せ」を育むことにもつながるのです。

 小さな共創の輪が、新しい夢を育み、他の共創の輪とつながりながら、新しい輪をつくりだす……こうして、大きなひとの輪としての地域をつくりだす。そんな終わることのない「表現-共有-共創のスパイラル」がいきいきと息づいている地域、そのつながりの中でひとや自然がいまを分かち合いながら支え合って共に生きる地域、それこそが私たちの目指す「すべてのいのちが共に生きる地域」=アルプス合衆国なのです。

4.We have a DREAM ぼくらはまちに愛を告げる

 ~すべてのいのちが共に生きる地域へ~  いま、私たちのこころは、それが息づくべき豊かなつながりを見失いかけているのかもしれません。それが、最もナイーブな子どもたちのこころの「荒れ」や「浮遊」として現れてきていると考えることもできるでしょう。ひとは、他者や自然とのつながりの中ではじめて豊かに生きてゆくことができる、私たちはそんなあたりまえのことを忘れかけてはいないでしょうか。ひとが明るく豊かに生きてゆく上で、欠くことのできない大切なつながり、それが地域のつながりです。また、この先地域が生活圏・経済圏としてこれまで以上に自立するように求められることは間違いありません。このようないまだからこそ、私たち自身が今一度自らが生きるつながりとして地域を捉え直し、自らの未来と地域の未来を重ね合わせてゆくことが大切なのです。

 昔、この地域で生きたひとたちは、この飯田下伊那の自然の中で生きるために、様々な営みを重ねてきました。また、生活の拠り所となる日々の糧を得るために、ひととひとがそれぞれの力を出し合い支え合うつながりを大切にしてきました。こうした先人の営みが、飯田下伊那固有の「風土」や「文化」として、その時々を精一杯生きる人々のこころを育んできました。いまを生きるわたしたちのこころも、いのちのつながりを大切にし、その中でお互いが支え合う「『結い』のこころ」によって育まれたのです。わたしたちはひとりで育ってきたわけでも、ひとりで生きているわけでもありません。わたしたちのまわりにある、時を超えたたくさんのつながりがいまのわたしたちの生をつくっているのです。「『結い』のこころ」を自らのこころの支えとして、自らの夢を力強く語ること、そして、その実現に向けた行動を始めること、それが、このこころを、いまを生き、未来をつくる自らのものとすることなのです。

 一人ひとりの夢、そしてぼくらの夢を基盤として、自らつくったものとしての地域、みんなのものとしての地域を愛することこそが、いまぼくらに求められる地域への「愛」なのです。いまこそ、地域にぼくらの愛を告げようではありませんか!

 未来は決して完結することはありません。そして、わたしたちが求め続ける限り、未来はわたしたちの手の中にあります。自らの目で地域に大切な「価値」を発見し、それを自分たちの手で、「『結い』のこころ」を分かち合って育んでゆく。そんな行動とつながりが地域の未来を切り拓きます。そこで育まれた未来像が、いまを分かち合う仲間たちのこころに、地域の未来を担う子どもたちのこころに、大きく広がっていったとき、明るい豊かな地域の未来は私たち自身のものとなるのです。

 ひとつのビジョンを共有しそれを実現する、その中からまた新たなビジョンが生まれる、共に創り共に生きるつながりの中に自らの生を確かなものとしてつかみ取る、ひとがひととして生きている限り終わることのないこうした永久運動が、本当の意味での地域づくりであり、自らの問題として地域を見つめ、その運動を支えるこころのあり方こそが地域ビジョンなのかもしれません。創立40周年を諸先輩方の地域づくりの蓄積を確かに踏まえた新たな出発点として、私たち社団法人飯田青年会議所は、一人ひとりの夢が地域の未来の中で花開く地域、ひととひと、ひとと自然が支え合いながら明るくいきいきと生きてゆける地域、「すべてのいのちが共に生きる地域=アルプス合衆国」を目指し、今後とも運動を進めて参ります。ここで謳った基本的な考え方と目指すべき地域像を礎として、様々な具体的な行動を自らの力で、また地域の多くの仲間たちと共に展開し、未来の飯田下伊那を共につくってゆく決意をここに宣言します。また同時に、私たちの地域づくりを共に担う、熱いこころを持った同志の結集を広く呼びかけます。

 さあ!すべてのいのちが共に生きる飯田下伊那、一人ひとりの夢を「『結い』のこころ」でつなぐアルプス合衆国の創造に向けて、共にたち上がりましょう!!

 We have a DREAM ぼくらはまちに愛を告げる

夢の実現へ向けて ~ぼくらの決意~

ぼくらの夢1【一生を全うしたいと思える地域へ】

1.飯田下伊那の「固有性」を自らの目と行動で再発見していきます。
2.みんなの未来をつくることが私の未来を切り拓いていく、私の未来を考えることがみんなの未来につながってゆく。この「相互作用」の場を仕掛けていきます。
ぼくらの夢2【安心して子供を産み育てられる地域へ】

1. 地域の未来をつくる発想をもって、子供たちを地域全体で育てていきます。
2. ぼくらが子供たちに自信と希望と自らの行動を持って未来を指し示します。
3. 地域の未来を子供と大人が共有できる事業を考えていきます。
ぼくらの夢3【自然と人のつながりが豊かに息づく地域へ】

1. 自然環境の破壊が叫ばれる今だからこそ、自然が豊かな飯田下伊那を再確認します。
2. 豊かな自然と私たちの生を結ぶいのちのつながりの中に、これからの地域の未来を考え、行動します。
ぼくらの夢4【経済的に自立できる地域へ】

1. 異業種の集まりといった特長を生かした、地域を基盤とした経済的つながり、新しい経済・経営システムの勉強をおこないます。
2. 地域経済の課題として、高齢者の知恵や力を生かすこと、障害者の地域経済への参加、 在住外国人の方々の地域経済への参加を研究し、可能性を探ります。
3. 多元的な視点から地域経済をとらえ直し、地域の経済的自立を探ります。
4つの「夢」実現に向け行動を起こし目指す地域の姿へ

2.社団法人飯田青年会議所創立45周年 「夢ある未来の扉」

創立45周年を迎えて ~魅力ある飯田青年会議所として~

 私たちが創立40周年に、アルプス合衆国セカンドステージにおけるビジョンの実現に向けて「ぼくらの夢」を宣言してから5年が過ぎました。この間私たちを取り巻く環境は、社会面・経済面から見ても人々の予想をはるかに超えるスピードで変化を遂げ、また平成の大合併とも言われる地域再編の動きも起こり、それぞれの地域が自らの地域のあり方を考えた5年間でした。

 10年前の阪神淡路大震災をきっかけに、ボランティア、市民活動なども当たり前になり、さらに専門的なNPOやNGOが多く誕生してきたことで、まちづくりの団体として「JCもある時代」から「IIDA JC New Generation だからこそできる時代」と、青年会議所の存在意義を確かめなくてはならない時代になってきました。これから5年後に迎える創立50周年または未来の飯田青年会議所を考えた時、その道のりは決して平坦なものではありません。先見えぬ経済不況、少子高齢化、人口減少、市町村合併、青少年犯罪など抱える課題も多く、私たちの愛する飯田下伊那の環境も大きく変化していくものと予想されます。「混沌とした時代」を「未知の可能性を秘めた時代」と捉え、その可能性から確かな時代を築こうとしている今だからこそ、私たちは原点に立ち返り変革の能動者たらんとする青年として、青年会議所としての存在意義をいま一度明確にし、激しく変わろうとしている時代に先駆けた"まちづくり"を展開していく必要があります。その為に、この地域で行動していく私たち自身が「自己変革」し「進化」すること、更に飯田青年会議所が「進化」することが、求められているのではないでしょうか。そして、勇気を出して一歩踏み出す歩みの先に、「ぼくらの夢」の実現があるものと固く信じます。

 この創立45周年を単なる通過点と考えずターニングポイントと捉え、「ぼくらの夢」の実現に向けて歩んでいく道標として、この「夢ある未来の扉」を作成しました。すなわち夢ある未来の為、また「ぼくらの夢」の実現に向けて、魅力ある「ひと」「組織」「まち」へと進化し続けるための行動指針をここに示します。

Ⅰ ひとづくり

意気と力溢れる「魅力あるひとづくり」を目指します。

 私たちには家庭人・企業人・市民としてそれぞれの役割があります。まず、家庭人として、最小単位である家庭では、夫婦としてのお互いの役割があり共に子育て等の家庭生活における活動に積極的に参画し、充実した家庭を築く役割があります。また地域社会において、この地域の子供達の親として、子供たちに対して生き方を教え、「夢」を与え、方向性を示す役割もあります。次に企業人としては、この地域経済の振興を図る上でも、質の高いサービス・商品を提供し、それらを通して新たな価値観やライフスタイルを社会に提案する役割があります。そして企業の目的でもある利益を出す事により従業員の幸福、顧客の満足、納税・雇用による地域社会への貢献など私たち青年経済人としての役割は大変重要です。そして私たちには、この地域の中で夢と力溢れる若者としての役割もあります。

 私たちは、JCに所属している「Jaycee」です。JCには単年度制という利点があり、理事長・副理事長・委員長・会員・新会員など毎年様々な役割を経験できる、まさに学びの宝庫なのです。企業に置き換えてみれば、社長・管理職・従業員と年ごとに異なるポストを担うようなものです。JCにおいても、それぞれの役職に重要な役割があり、その役割を経験し己の力を発揮することが「自己変革」に結びつきます。そして私たち若者がまちづくりを通して「夢」を熱く語り行動する中で、豊かな「感性」「人間力」を絶えず研鑽し続けることができ、「Jaycee」として磨かれていくのです。また地域の中では、JCとして「共育」という考えのもと、ひとづくりに関わっていくことも重要な役割です。

 今この地域で求められているのは、「家庭人」「企業人」「市民」そして「Jaycee」としてのそれぞれの役割を責任持って果たせる私たち若者です。私たち「IIDA JC New Generation」として、この地域の「明るい豊かな社会」実現に向けて、他人任せではなく率先して行動し、真剣にこの地域に関わる事により、「夢ある未来の扉」が拓かれていくのです。

 私たちが「変革」「進化」することで、組織が変わり、事業が変わっていくのです。そして、その波紋をこの地域に伝播して行こうではありませんか。ダイヤモンドが輝くように、私たちも、メンバー同志、また地域の方々と真剣に関わることで、"ひと"として輝いて行きましょう。"若さ"が強みです。過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。今こそ私たちは「自己変革」に強い気概で臨み、魅力ある"ひとづくり"を目指します。

Ⅱ 組織づくり

未来に向けて存在感ある、「魅力ある飯田青年会議所」を目指します。

 全国の青年会議所は5年前に750LOM、60,000人という会員が在籍しておりましたが、現在は739LOM、 43,000人と減少し、その存続すら危ういLOMも数多く現れてきております。飯田青年会議所でも現在は会員数67名で、その内5年後の50周年に在籍している会員は約4割です。これこそが現実でしっかりこの現実を直視しなければなりません。50周年に、また未来に向けて強固たる「魅力ある飯田青年会議所」を創る為には、ただ単に事業を遂行する組織ではなく、メンバー一人ひとりが「主体性」「協調性」「創造性」を発揮し、個人が活き活きと輝きながら活動し、新鮮な感動(充実感・達成感・幸福感・満足感・気づき等)を実感することのできる組織でなければなりません。

 私たちは5月例会にて、50周年・未来に向けての問題・課題を探り、今やらなくてはいけないことを議論しました。その中には組織としての課題もあがりました。変えなくてはいけないものは、時代と共に変える必要はあります。しかし、 45年間の歴史の中で先輩方が構築されてきた委員会活動・事業運営にあたる理事会などのシステムは、他にはない素晴らしいものです。まちづくりの事業を遂行するにあたって、委員長を中心とした委員会活動が「個人」の「自己変革」など多くのことを実感できる組織体の一部なのです。その一つひとつの組織体がまとまったときに、 "まちづくり"の団体として力が発揮できるのです。そして今、現実を直視した中で、私たち飯田青年会議所が「変革」し「進化」しなくてはいけない時なのです。

 2001年に日本青年会議所でも、組織のあり方が考えられており、そこには新世紀の組織ビジョンとして、「進化体」への脱皮が謳われております。個と組織の進化には、『1、個が進化する。2、組織は突出した個に追いつくため、そのキャパシティを拡大する。3、組織のキャパシティの拡大が、個のさらなる進化を助長する。』というように、個人と組織が融合しながら進化するプロセスの必要性が謳われております。

私たちの組織が「進化」していくためには、

1.個人が活き活きと輝きながら活動し、
2.組織の中で新鮮な感動(充実感・達成感・幸福感・満足感・気づき等)を実感でき、
3.さらにより多くの人が集まり、鋭く豊かな「感性」と「人間力」が研鑽できる。

といった個人と組織の進化成長プロセスが必要です。個人と組織は車の両輪で「ひとづくり」に欠かせないのが「組織づくり」です。学びの宝庫でもあるその組織で、魅力ある"人財"が集い育つ集団にする為にも、「進化」が必要です。「ぼくらの夢」の実現、愛するこの地域の為にも、飯田青年会議所はその存在を進化させ、徹底した「進化体」へと脱皮し、「魅力ある飯田青年会議所」を目指します。

※「進化体」・・・変革を志向する存在であるメンバー一人ひとり(Innovator)が、自ら変革を遂げることによって進化していく組織。進化体では、その一人ひとりが外部から見えることを特徴とし、それによって、個の遂げる変革が、その組織を進化させるだけでなく、この地域に対して直接の影響を与える事にもつながります。

Ⅲ まちづくり

地域社会に広がる「魅力あるまちづくり」を目指します。

 創立以来継承してきている飯田青年会議所のまちづくりには熱い情熱と魂があります。そして"社会開発の飯田"といわれるまちづくりの伝統もあります。いままでの事業を振り返り、そのプロセスを紐解いたとき、時代や手法は変わっても、この地域を素晴らしいものにしたいという、まちづくりの根底にある魂や考えは変わらないものだということがわかります。

 私たち飯田青年会議所の目指す「明るい豊かな社会」の実現に向けて行動している団体として、「明るい豊かな社会」とは、どんな地域なのでしょうか。それは、創立40周年に提唱したビジョンの「ぼくらの夢=地域の未来を拓く4つの柱」で謳われております。一人ひとりの夢が地域の未来の中で花開く地域、ひととひと、ひとと自然が支え合いながら明るくいきいきと生きてゆける地域、「すべてのいのちが共に生きる地域=アルプス合衆国」を目指し、まちづくりをしております。 IIDA JC New Generationとして、更にこの地域を理解し、独創的な発想で地域の未来を大きな視点で捉え、またもっと身近な小さなつながりの中にも目をむけ、「結いのこころ」を持って地域を創っていくことが必要です。そして、それを実践していく「行動」が何よりも重要なのです。

IIDA JC New Generationとして、

「この地域の問題点は何か」(現状認識)
「このままでこの地域の未来はどうなるか」(将来予測)
「地域社会へ私たちの熱き想いは広がっているか」(意図の波及性・浸透性の判断)
「その事業によってどのような成果が得られるか」(事業効果の見通し)
「私達にその事業を遂行するだけの能力はあるか」(事業主体としての遂行能力の見極め)
「その事業によって飯田JCの強みを発揮できるか」(組織特性の発揮)

など、常に自問自答することが必要です。時代の変化を的確に反映させ、「変革」していくことが重要です。そして、地域の価値を感じ行動しながら、未来を創造していこうではありませんか。また、まちづくりは共同作業です。私たちと共に未来の地域に向けて行動していく仲間を募り、飯田下伊那の地域の方々との「パートナーシップ」「ネットワーク」を構築することで大きな行動の輪を創り、この地域に広がる「魅力あるまちづくり」を目指します。

いまこそ!~夢ある未来の扉に向かって~

 私たちは、この5年間創立40周年ビジョンに基づき運動を展開してきました。このビジョンこそ普遍的ではありますが、 10年スパンで捉えたときには、まさしく本年が折り返し地点です。今年を一つのターニングポイントとしたとき、私たちがビジョンの達成に向け邁進していくための、「ひとづくり」「組織づくり」「まちづくり」と3つの行動指針をここに打ち出しました。夢ある未来の扉に向かって、魅力ある「ひと」「組織」「まち」を目指して行動していくことが必要だからです。夢を描き、夢を語り真剣に議論すること、汗水流して純粋に動き回ることなど、私たちの一つひとつの強い気概を持って行動することが、成長し続ける人の集団 IIDA JC New Generationとしての使命なのです。そして創立50周年に向けて、今から創立40周年ビジョンをもとに「ひとづくり」「組織づくり」「まちづくり」において、漠然としたものでなく目に見える具体的で、会員全員でチャレンジできるそれぞれの未来の姿=政策的、戦略的なビジョンを確立していくことが急務です。それらが明確になった時、そこにはすごいエネルギーが沸き起こり、さらに「進化」するものと確信いたします。

すべてのいのちが共に生きる地域

 絶え間なく夢を描き、そしてそれを実行しようと私たち個人が変革し輝くこと、そして「魅力ある飯田青年会議所」へ進化することが、「ぼくらの夢」でもあるすべてのいのちが共に生きる飯田下伊那、そして長野県、さらに日本を変える源なのです。

 混沌とした中から「未知の可能性」を引き出し、確かな時代を築こうとしている今だからこそ、私たちの前に広がる可能性は無限大なのです。
いまこそ、私たち一人ひとりの夢を「結いのこころ」でつなぎ、この行動指針を胸に「ぼくたちの夢」実現に向けて、「自己変革」へチャレンジし、メンバー一人ひとりが勇気ある一歩を踏み出し"夢ある未来の扉"を拓いていこうではありませんか!

 成長しつづける人の集団 IIDA JC New Generationとして、さあ一人ひとりが力強く歩みだそう!

2009年1月 1日掲載